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提言「蛍光管の適正処理・再資源化のために」

  • 2013/02/21 (木)

(コンシューマーズ京都からのお知らせ)コンシューマーズ京都は2月20日、つぎのような「提言」を発表しました。

提言「蛍光管の適正処理・再資源化のために」

特定非営利活動法人
コンシューマーズ京都(京都消団連)

一、蛍光管はなぜ適正処理しなければならないか
1 水銀管理の視点から
蛍光管の適正処理が強調されるのは、何といっても蛍光管に水銀が使用されているからである。蛍光管の発光原理から微量ではあれ水銀がどうしても必要とされるのである。水銀を使用しない蛍光管はいまの技術ではありえない。したがって、蛍光管が廃棄物になったとき、適正処理をしなければ水銀が環境中に放出され、環境を汚染する危険性がある。この水銀による「環境汚染リスク」に注目するとき、蛍光管を焼却処分することや、埋立て処分するという処理方法は避けるべきなのである。蛍光管の水銀を確実に回収するための技術や事業者は現に存在している。問題は、多くの廃棄物問題でも共通することだが、廃棄物として排出される蛍光管をいかに効率的に回収し、適正処理ルートにのせるかということである。
2 ガラス、アルミなどの資源有効利用
蛍光管の適正処理というとき、第一義的な課題は水銀の回収ということであるが、同時にガラスやアルミなどの再資源化も重要な課題といえる。この点でも再資源化技術が開発され、ガラスは断熱材に、口金部分はアルミとして再資源化され、有効利用されている。なかには「ランプtoランプ」というような考え方で蛍光管の原料として再利用する事例もではじめている。
3 一般廃棄物の減量効果
蛍光管の再資源化を促進することは一般廃棄物の減量効果につながることでもある。どの市町村でも廃棄物減量のためのさまざまな努力がされているが、そのなかではカン、ビン、PETボトル、プラスチック容器包装などの再資源化の課題が最初にとりあげられることになる。これらの課題をクリアし、さらに次の目標にむかおうというとき、蛍光管のような「環境汚染リスク」につながる「やっかいなごみ」への対策が課題にあげられるのである。しかしながら、現実には、市町村としては蛍光管の適正処理のためのコスト負担という問題があるので、慎重に検討を重ねることになり、結局、手つかずのままにおかれてしまいがちな課題なのである。
二、蛍光管の適正処理のための取組みの現状
蛍光管の適正処理という場合、日本の廃棄物行政の考え方によれば、家庭からの蛍光管は「家庭系一般廃棄物」として市町村の責任で処理され、事業所からの蛍光管は「産業廃棄物」として排出者責任のもとで処理されることになる。この間、さまざまな取組みがすすめられてきたのだが、適正処理されている量は、多く見積もって3割程度だということで、まだまだ不十分な現状にあるといわねばならない。
1 家庭からの蛍光管について
家庭からの蛍光管の回収・処理方法は、実際に回収・処理にあたる市町村ごとにさまざまである。少くない市町村で蛍光管は分別項目にあがっておらず、住民としてはどうすればよいかわからないという実態がある。その場合、その他の廃棄物といっしょに焼却されていたり、埋立て処分されてしまったりすることにつながるのである。蛍光管の回収に乗り出した市町村の方法は、おおよそ以下のようないくつかのパターンに分かれる。それぞれ一長一短があり、どの方式がよいと一概にはいえないが、徐々に市町村が動き出していることについては評価したいことである。
(1)「有害危険ごみ」として直接回収
廃棄物の分別項目に蛍光管や乾電池などの「有害危険ごみ」をつくり、市町村がステーション方式などにより直接回収している事例がある。この方法は一番確実に回収できる方法であり、実際に回収量も多いが、他方では、コスト負担もともなう方法である。
(2)役場、公民館などでの拠点回収
市町村によっては、直接回収することはないが、役場、公民館などで拠点回収する方法をとっている。この方法はステーション方式での回収に比べてコストの点では負担が小さくなるが、住民側からすれば「われる」「かさばる」蛍光管を回収拠点まで運びこまねばならないという煩わしさがともなうため、回収量がなかなかのびないという問題がある。
(3)家電販売店などの拠点回収
拠点回収のひとつになるわけだが、家電販売店を回収拠点にすることで回収量をたかめようという事例もある。また、家電販売店とともにスーパーなどを回収拠点にするということで住民の負担を小さくしようという事例もある。
(4)地域の行事などでのコミュニティ回収
地域のいっせい清掃や各種行事の際に臨時の回収拠点をつくり、その場で回収しようという事例もみられるようになった。
2 事業所からの蛍光管について
一方、事業所から排出される蛍光管は基本的に「産業廃棄物」として排出者責任のもとで処理されねばならないことになっている。確かに大手の工場などでは排出量も大きいこともふくめて環境マネジメントシステムの管理対象にされ、多くの場合、適切に処理されているのだが、中小事業所になると事情は異なり、とてもグレーな実態がある。
というのも、事業所からの蛍光管は「産業廃棄物」だという認識が十分に行きわたっていないからでる。すなわち、「産業廃棄物」は廃棄物処理法のもとで「燃えがら」「汚泥」など20種類があげられているのだが、「蛍光管」という項目はなく、蛍光管は「ガラスくず」「金属くず」として処理されることになるのである。
このような法的なあいまいさがあることもふくめて、行政指導が十分でない場合、中小事業所では「事業系一般廃棄物」の処理にあたる事業者と契約して引き取ってもらう「事業系一般廃棄物」として蛍光管を排出しているケースが出てくるのである。また、「産業廃棄物」として排出しているという場合でも、「ガラスくず」「金属くず」として処理され、水銀の回収という肝心な部分があいまいになるケースも少なくないのである。もちろん、適正処理ルートに出そうとすればコスト負担がともなうことから、手間がかからず、負担の小さい排出方法に傾くのが実態なのだろう。
このような中小事業所の蛍光管排出のための事業者むけの意識啓発と、その受け皿になるシステムづくりは急務であるといえよう。
三、これからの課題
1 家庭からの蛍光管の回収システムづくり
微量とはいえ水銀が含まれる蛍光管の焼却処分や埋立て処分はやめるべきである。処理施設内、その周辺の環境中に水銀が放出されていないのか、水銀の「環境汚染リスク」に関わるデータ把握を急ぐ必要がある。同時に、各市町村のおかれた条件(人口、地理的な事情、市町村の財政事情、保有する施設の性能等)をふまえた回収システムの構築を行う必要がある。
2 事業所からの蛍光管の回収システムづくり
事業所からの蛍光管については、現行の廃棄物処理法の考え方をふまえるならば「産業廃棄物」として排出者責任を明確にした回収システムづくりが急がれるべきである。市町村としても現場での啓発・指導を行うべきである。点検基準は、事業者として蛍光管の収集処理にあたるリサイクル事業者と「産業廃棄物処理契約」をむすんでいるか、排出にともなうマニュフェスト管理を行っているか、ということであろう。問題は、中小事業者に対する啓発・指導の進め方で、取締り・規制を行うことが目的ではないはずで、事前の啓発を十分行うとともに、共同排出方式などの取組みをサポートする姿勢でことにあたっていただきたい。中小事業者が蛍光管の適正処理に動き出せば、市町村の取り扱う事業系一般廃棄物は確実に削減されるのだから、ここはじっくり取組んでほしい。
3 蛍光管における「拡大生産者責任」の制度化
 蛍光管の適正処理には多くの課題があるが、とりわけ回収コストと処理コストをだれが負担するのかという問題が最後に残る問題になる。アルミ缶などは集めてリサイクルルートにのせれば多少なりとも「売却益」が出るのだが、蛍光管の場合は集めれば集めるほどコスト負担がともなうのである。家庭からの蛍光管の回収にあたる市町村にしても、事業所からの蛍光管をまじめに「産業廃棄物」として排出する中小事業者にしても、このコスト負担がハードルになってきたのである。
 廃棄物処理に関わって「拡大生産者責任」、すなわち、「生産者は、自ら生産する製品の原材料生産から廃棄・リサイクルに至るプロセス全体における環境影響が最小になるように製品を設計し、そしてその設計によってもなお取り除くことができなかった環境影響に対して物理的責任、財務的責任の少なくとも一方を果たしたときに、その責任を果たしたことになる」という考え方がOECD(経済協力開発機構)などで示されている。このような考え方が蛍光管の適正処理についても適用されるべきだろう。
現在、メーカー側では「2020年生産中止」を展望しながら、当面、①耐用年数を延長する、②封入する水銀量を削減する、③ランプtoランプの製品開発をめざすという立場をとっているが、現実の問題解決のためにはメーカーの適正処理コスト負担を義務づけることが必要だといわねばならない。
 このようなことから「蛍光管適正処理法」(仮称)のような法制度を実現することがどうしても必要である。すなわち、この法律ではメーカーに蛍光管の適正処理のためのシステムづくりとそのためのコスト負担を義務づけるものである。当然、メーカー側からの反発が予想されるが、蛍光管の適正処理のためには欠かすことができないものであろう。
4 水銀条約のもとでの国内対策として
 この間、国連環境計画(UNEP)のもとで交渉が進められてきた水銀条約については、平成25年10月に採択される予定だと伝えられている。
条約には、水銀を使った血圧計や一定量以上の水銀を含む蛍光ランプなどの生産規制、水銀含有廃棄物の適切な管理・処分、水銀の輸出入規制、水銀の保管など、多岐にわたる項目がもり込まれる予定だという。
水銀条約が採択されるのと前後して水銀規制のための国内対策の準備がすすむものと考えられるが、このなかで蛍光管の適正処理・再資源化の課題についても方向付けがされることを期待したい。

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